燭楽亭(Chocolatier: 手作りチョコレートの製造・販売)。 当店は自宅工房・ショップで、店主は大学教員を定年退職したショコラティエです。 千葉県在住。


by yokota723

「草の乱」と井上伝蔵

1025日(木)の午後、地元公民館で「名画を観る会」が上映した「草の乱」をみてきた。1884年(明治17年)秋に起こった困窮養蚕農民の武装蜂起「秩父事件」をテーマに2004年に制作され、ボランティアエキストラ8000人、総製作費45000万円は主として一般市民からの出資によって賄われたと聞いている。

山間にある埼玉県秩父郡一帯は当時、蚕を飼い生糸を売って暮らしを立てていたが、デフレによる生糸価格の暴落、軍備拡張による増税、世界的不況による生糸輸出の激減などで、人びとは借金に頼らざるをえない暮らしを余儀なくされ、高利の取り立てに苦しむ農家が続出した。

生糸商家「丸井」を営む緒形直人演ずる井上伝蔵は、農民の窮状に心を痛め、賛同者を募り、もはや願いを叶えるには政府を打倒するしかないと命懸けの武装蜂起に突き進んでいくのであった。秩父谷を揺るがした民の怒りは、圧政への怒りであり、自由と民権への熱情であった。

ところで、高校3年の同級生に井上伝蔵の弟の曾孫にあたる「井上君」がいた。彼はいま秩父に戻り、「井上伝蔵」を名乗って画家として活躍している。久しぶりに井上君に電話したら相変わらず大作を描いているとのこと、私が帰郷した際に会う約束をして電話を切った。写真はわが家にある井上君の小品で、「Denzo」のサインがある。

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・秋風の追ひかけてくる帰郷かな  ・晩秋の棚田に風が風を呼ぶ

・座の高き男がどすんとろろ汁   ・秋の雲スクランブルの鴎かな

・朝寒や子ら一列を守りゆく

・口笛が坂下りてくる秋の夜    ・コスモスに道を取らるる乳母車

・遠く住む友は古稀なり体育の日  ・渡り鳥山脈低き安房の国


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by yokota723 | 2018-10-26 18:11 | 共通 | Comments(0)