燭楽亭(Chocolatier: 手作りチョコレートの製造・販売)。 当店は自宅工房・ショップで、店主は大学教員を定年退職したショコラティエです。 千葉県在住。


by yokota723

恩師Y先生逝く

私が小学校56年生時の担任だった、Y先生が逝去されたとの知らせが入った。享年88歳という。4年前に帰省した際、一緒に食事をしたのがお会いした最後となった。

郷里秩父で行われる通夜も告別式も、私は先約があって出席できない。大変お世話になった恩師であるが、次に帰省する際に弔問に伺う旨を同級生に伝言し、遠くからY先生を偲んでいる。「行く川の過ぎにし人の手折らねば」(万葉集)。

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・積上げの知的生産初句会    ・寄せ鍋や鯛に睨まれ移り箸

・藁葺の軒に連なる干大根    ・初雪や両手差出す赤頬つぺ

・冬の雨テールランプの赤駆ける ・習志野の大地の疼き寒波来る

・二人には広過ぎる部屋おでん鍋 ・隣家からショパン曲聴く冬日和
# by yokota723 | 2019-01-26 22:56 | 共通 | Comments(0)

ゆく年くる年

ゆく年・2018年は、お世話になりました。

くる年・2019年もよろしくお願いいたします。

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・髭面にうどんの湯気や年の暮  ・柊の花のはらはら道祖神

・握り飯頬張る山の冬帽子
# by yokota723 | 2018-12-29 15:39 | 共通 | Comments(0)

2018年尽

2018年も残すところ10数日。月日の過ぎ去る速さに驚くばかりです。恒例の忘年会は、できる限り出席するようにしていますが、お付き合いは年相応ということで、早めに切り上げることも多くなりました。今日の自分を1か月前、1年前、ひと昔前の自分と比べないようにし、「日々に新たなり」を目指したいと努力しています。写真は、箱根ガラスの森美術館と「風にそよぐグラス」。
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・秩父路の古刹密かに冬牡丹   ・ドリップのコーヒー揺らす文化の日
・霙るるや猿の湯浴みの地獄谷  ・老いてなほ夢のひとつを冬の星
・秩父嶺を越えてひときは雁の声 ・大根干す軒下明かりあちこちに
・冬木の芽鉱泉宿に嫁の来る   ・しやんしやんと呼込む福や酉の市
・手酌するぐい飲みの古酒冬銀河 ・みかん剥く指先ほのか香りけり
・旅果てや枯木の沖の象牙色   ・じんじんと吹寄せる風冬籠り
# by yokota723 | 2018-12-14 18:42 | 共通 | Comments(0)

取材とブルーム現象

数日前、某金融機関カードグループ会員誌の取材を受けた。ここしばらくの間はテレビや雑誌取材を遠慮していたが、そうもいかなくなり、定年退職後のライフデザインを「人生100年時代の楽しみ方(仮)」として、インタビューや実例をふまえて紹介したいとの要望に応じた。

私は大学教員を定年退職後、自宅で「店内のないお店」の手作りチョコレート工房を始めたが、その経緯や10種類ほどのチョコレートの作り方、作業状況や開店状況、日常生活など、2時間半の取材であった。

仕事となると楽しいことばかりではないので、山登りや俳句、友人や若い人たちとの交流など、多様で悠々自適な日々過ごしている。したがって「都合により本日休業」の看板の掛かることも多く、お客様から苦情が寄せられることもあるが、お許しいただきたいと願っている。

取材の翌日は、終日の外出から戻ってみると、カメラマンの要求でテンパリングという温度調節をしないまま型に流し込んだチョコレートが、写真に見る通り、斑点ができたような「ブルーム現象」で悲惨な状態になっていた。
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# by yokota723 | 2018-11-07 11:10 | 共通 | Comments(0)

「草の乱」と井上伝蔵

1025日(木)の午後、地元公民館で「名画を観る会」が上映した「草の乱」をみてきた。1884年(明治17年)秋に起こった困窮養蚕農民の武装蜂起「秩父事件」をテーマに2004年に制作され、ボランティアエキストラ8000人、総製作費45000万円は主として一般市民からの出資によって賄われたと聞いている。

山間にある埼玉県秩父郡一帯は当時、蚕を飼い生糸を売って暮らしを立てていたが、デフレによる生糸価格の暴落、軍備拡張による増税、世界的不況による生糸輸出の激減などで、人びとは借金に頼らざるをえない暮らしを余儀なくされ、高利の取り立てに苦しむ農家が続出した。

生糸商家「丸井」を営む緒形直人演ずる井上伝蔵は、農民の窮状に心を痛め、賛同者を募り、もはや願いを叶えるには政府を打倒するしかないと命懸けの武装蜂起に突き進んでいくのであった。秩父谷を揺るがした民の怒りは、圧政への怒りであり、自由と民権への熱情であった。

ところで、高校3年の同級生に井上伝蔵の弟の曾孫にあたる「井上君」がいた。彼はいま秩父に戻り、「井上伝蔵」を名乗って画家として活躍している。久しぶりに井上君に電話したら相変わらず大作を描いているとのこと、私が帰郷した際に会う約束をして電話を切った。写真はわが家にある井上君の小品で、「Denzo」のサインがある。

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・秋風の追ひかけてくる帰郷かな  ・晩秋の棚田に風が風を呼ぶ

・座の高き男がどすんとろろ汁   ・秋の雲スクランブルの鴎かな

・朝寒や子ら一列を守りゆく

・口笛が坂下りてくる秋の夜    ・コスモスに道を取らるる乳母車

・遠く住む友は古稀なり体育の日  ・渡り鳥山脈低き安房の国


# by yokota723 | 2018-10-26 18:11 | 共通 | Comments(0)